気苦労その0

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とある空間にて。 「....んっ....んふぅ........。」 洞窟の様な場所で1人の男性が寝転がっている。 身長はおよそ160cm程度の小柄で細身。 髪は艶の入った黒に中性的で年齢の割に幼い顔たち。 『空間転移成功。エラー確認後、問題が無ければ第2フェーズへ移行します。』 突如、空間に女性の声が流れる。 女性といってもとても機械的で感情のこもっていない声だが。 『....エラー確認。対象のエラーを排除します。』 また一つ声が鳴り響く。 声は反響して空間全体に響き渡るが、いかんせん反応する者がいないので静かに進行していく。 『....エラー排除失敗。再度エラー排除に移行します。』 また機械的な声が響く。 『....エラー排除失敗。深刻なエラーか確認します。』 どうも上手く行かなかったらしく、女性の声は作業の方向を変更する事に。 しばらくまた空間に静寂が戻るがまた声によって破られる。 『....深刻なエラーで無い事を確認。エラーを容認し、第3フェーズへ移行します。』 突如空間の中央で寝ている青年に変化が生じる。 寝ているはずの青年の体が宙に浮き、光り輝きだす。 すると、一度強い輝きが放たれた後青年の姿が変わり果てる。 黒く艶のあった髪は暗めのグリーンに。 明るい色を基調とした服はボロボロの麻の布を繋げただけの服に。 『第3フェーズ終了。最終問題確認後、空間解放いたします。』 そんなことを声が告げると今度は空間自身に変化が生じ始める。 どこか明るく清潔だった空間は、突如ジメジメした暗い空間へと変貌する。 『最終確認終了。全てのフェーズが完了しました。初期フィールドを森林に設定いたしました。』 そして声は告げる。 『これより『DMプロジェクト』開始します。』 新しい物語の幕開けを。
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