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や、やばい。正直想定外もいいところすぎる。
他のなんでこんな所に住んでいるとか、どうやって暮らしているとかそんなことなら口からで任せで言えたのに。
僕は内心冷や汗だらだらの状態で女性に説明する。
「じ、実はスライム君たちはここで出会ったんだ。
僕がここでいつものように暮らしていたら傷ついたスライム君たちがやって来て....。
今回みたいに治療したら懐かれたというかなんというか....そんな感じで友達になれました。」
よし!出任せにしては完成度はそれなりに高いと思う!
僕は内心ガッツポーズを取る。
スライム君たちにはアイコンタクトで自分に合わせるようにする。
スライム君たちも理解してくれたようでいつものようにプルプルと身体を震わせる。
今更だがなんで僕はスライム君の言いたい事がわかるんだろう....?
そんな疑問を感じながら女性と再び視線を合わせる。
納得していると思っていたが、そんな妄想を裏切るように女性は悲しそうな視線を僕に向ける。
「残念じゃよ....そんな嘘をつくなんて....。」
....あれ?バレた?
「命の恩人に失礼とは思ったのじゃが....勝手ながら嘘を見破る魔法を展開させてもらった。妾は悲しいぞ....信用できる人物だと思ったのに....。
それにスライムの主食は水か人間....そんな知性のないスライムと共に生活できるとなれば....お主、ダンジョンマスターであるな?」
僕はそこで嫌な汗が一気に吹き出す。
ヤバい。これは本格的にヤバい。
僕は喪失感のような嫌な感覚を覚える。
どうする?いっそのこと不意打ちでしかけるか?
いや、そんなことをしても圧倒的ステータスの差で負ける。
それなら土下座で泣いて謝る?
だめだ、未来が見えない。
僕は足下が真っ暗になるような絶望に打ち拉がれる。
僕は目の前が真っ暗になったようにその場で呆然と立ち尽くす。
「........!....!?........きいておるのか!?」
「ッハ!」
「ふぅ、無視するとは失礼じゃぞ。」
「す、すみません....。」
気づけば顔のすぐそばまで女性の顔が迫っており、自分の顔を覗き込むようにしていた。
「なーに、そんなに心配するでない。別に取って食おうとしようとせぬ。」
「えっ....?」
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