気苦労その2

2/11
前へ
/32ページ
次へ
ダークエルフ救出作戦。略してDE。 僕とアーリアはそう呼ぶ事にした。 アーリアとは皆予想している通り、僕が必死に救助した女性のこと。 あとから知ったのだが、アーリアはダークエルフの中でも最上級の階級である女王様だって。 聞いた時はもう開いた口が閉まらないをそのまま現した状態だったよ。 「ジュン、皆の様子はどうじゃ?」 ジュンとは僕の事。 頭の片隅に残っていた記憶で僕の名前。 「うん、皆もやる気も状態もいいよ。」 僕はアーリアの協力でスライム君たちを強化する事が出来た。 さらにスライム君たちは異なる性質をもって進化した。 一匹目は赤い身体のバーンスライム。 名前から察すれるように、炎に強くなったスライム君。 耐性だけでなく、炎を吐き出すこともできる優秀なスライム君。 2匹目は固い身体のフロストスライム。 これも名前から察すれるように氷に強くなったスライム君。 このスライム君は吐く事はできないけど、身体や周りの水分を凍らせることができる。 3匹目はプラントスライム。 この子は特殊な進化をしたようで、体中の至る所から草が生えている。 動きは進化前と比べると静かなものだが、行動に特殊性が増えた。 食料が水では無く光と光合成に似た行動をするようになった。 4匹目はアイアンスライム。 見た目が鉄のようになっただけでなく実際固い。 それだけでなくこの子も食料が鉄になった。 しかし鉄といっても伸縮可能な液体金属といった方がしっくりくる。 そして最後の一匹。 こいつがとんでもないことになった。 名前はデッドリースライム。 特性は毒。 圧倒的致死性の毒。 アーリアがその毒を調べてくれた所、現存する治療薬では解毒不可能という。 さらにこの毒は魔力を栄養とするらしく、むしろ魔法で治療しようとすると毒が活性化するらしい。 さらにこの毒、気体にすることも液体にすることも可能。 マスターである僕が触れた場合は何ともないが、アーリアが触れてしまって大惨事になった。 その時はデッドリー君に直接解毒してもらった。 「そうか。それより本当に構わぬのか?」 「へっ?何が?」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加