気苦労その2

4/11
前へ
/32ページ
次へ
「まずはエルフについて語るかの。 エルフというのは亜人のなかでも有名な部類の種族じゃ。エルフはその身を自然と一体化する様な生活を送っておる。食料も栽培した野菜や狩りで取った肉しか食わん。そして一番の特徴は魔法に長けておるところかの、もちろん弓といった武器も得意とするが、魔法は多種族と比べても秀でておる。 ダークエルフも実は似た様な者じゃ。しかし違う点はいくつかある。生活は自然を優先するものの文明を取り入れる。得意な魔法は回復や補助といったサポートより攻撃魔法が得意。他にも違う所はあるが細かくなるのでまた今度じゃな。」 僕はそうアーリアの説明を聞いて感嘆をあげる。 確かにゲームや小説などで登場するもののその特性は良く知られてないから、今回のアーリアの勉強会はとてもありがたい。 僕は必死に脳内に情報を刻み付ける。 そんな僕の様子を見たアーリアは補足していく。 「ちなみにエルフとダークエルフの祖先は一緒じゃぞ?」 「え、そうなの?」 僕は思わずアーリアを見る。 アーリアはそんな僕のリアクションが良かったのか機嫌良く話してくれる。 「うむ、元々ダークエルフは今のように肌が褐色ではなかったのじゃ。」 「じゃあどうして褐色肌になったの?」 「うむ、それはダークエルフの祖先が邪教に手を出したからじゃ。」 「邪教?」 僕は聞き慣れない単語に思わず聞き返す。 アーリアはそんな反応に別で改めて説明してくれた。 「うむ、邪教とはその名の通り魔人や悪魔を崇拝する信教のことじゃ。ご先祖様とエルフの先祖はそれが原因で論争を繰り広げ、そしてダークエルフは集落を出て行き、今に至るというわけじゃ。」 「へー....?そんな歴史があったんだ。」 「うむ。ほかにもエルフの秘宝を奪ったからや、多種族との交配が原因など伝わっているが真実はこうなっておる。」 そういってアーリアは足と腕を組む。 上半身は腕を組んだことにより豊満な胸が形を変え、下半身からはスラッとした芸術とも言える太ももがチラリズムする。 僕は何か恥ずかしくなってそれから視線を背ける。 視線を外した先にはデッドリー君とフロスト君がポヨポヨと身体を震わせて会話していた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加