気苦労その2

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僕はそんなデッドリー君とフロスト君を抱きしめる。 胸の中ではそんな2匹のぷよぷよいた感触がクッションみたいで心地よかった。 「どうするかの?時間が余っとるから作戦内容をもう一度確認しとくかの?」 アーリアは抱きしめられるスライム君を見つめながら僕に問いかける。 そんなアーリアを見たアイアン君がポヨポヨと身体を跳ねさせアーリアの足下に寄る。 アーリアはキラキラと光る瞳でアイアン君胸に抱きしめる。 アイアン君。そこ変われ。 僕はアイアン君を少しうらやましく思いながら作戦内容を頭の中でもう一度確認する。 ダークエルフ救出作戦。 略してDE作戦と勝手に名付けたその内容は簡単なものである。 まず奴隷商人の軍団を探す。 これに関してはアーリアがすぐに見つけれるとの話なのでそれを信用する。 奴隷商人を発見した後、すぐに攻撃するのではなく光が失われるまで追跡する。 そう、夜を待つのだ。 夜になった後はスライム君の出番。 まずはフロスト君が凍らせたデッドリー君の凶毒を見張りにぶちかます。 毒は直前まで凍らせておき、個体の毒をバーン君が空中で気体に戻すって流れである。 見張りを撃破した後は捕まってるダークエルフを探す。 これはもしも人質にされた場合を考えての事である。 僕らの攻撃手段ではどうしても人質を無事に攻撃できない。 なのでこの手順の優先度は高い。 解放できた後はまずはバレないようにダークエルフたちを離れた所に避難させる。 避難にはプラント君に活躍してもらう。 ダークエルフの集団をプラント君が操る樹木で奴隷集団を囲むようにしてもらう。 そうすることでダークエルフたちは逃げやすくなるし、奴隷商人は逃げられないようになる。 後はアーリアと僕らの総力戦。 とはいってもアーリアのLevelを考えると一方的になると思う。 今回も不意打ちと人質のせいでアーリアはあそこまで追い込まれたらしい。 僕は念入りにアーリアと作戦を確認していく。 見直しに見直しを重ねているとすっかり探索に出る時間帯で、太陽は丁度頭の真上を照らしていた。
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