気苦労その1

3/19
188人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
だがなぜか分かる。 ここは自分の居るべき場所ではないと。 こう....なんというか....。 確かに自分がここに居るのはおかしくないのだが、ここは自分が居るべき場所ではない。 そんな良く分からない違和感が自分の腹の底から押し上げるように自己主張するんだ。 僕はこのままだと混乱ばかりしてしまうので無理矢理本を読み進める。 『理解していただけましたか? 理解して頂いた所であなたの今後の方針を説明いたします。 あなたはここ、ダンジョンのマスターとして働いてもらいます。 ダンジョンにはそれぞれ「属性」と「Level」が存在します。 「属性」とは、そのダンジョンの特徴を表します。 例えば、分かれ道とはずれ部屋が多い迷宮のようなダンジョンを「迷宮」属性、マグマがいたるところに存在し魔物も炎属性が多いダンジョンを「火炎」属性といったように。 「Level」とは、そのダンジョンの難易度を表します。 これはダンジョンに存在する魔物に影響されます。 ゴブリンやスライムといった低ランク魔物ばかりが多いとダンジョンLevelは低く、ドラゴンやゴーレムといった高ランク魔物が多いとダンジョンLevelは高くなります。 これは後ほどマスターであるあなたが方針を決めて下さい。』 なるほど、ダンジョンといっても色々なことができるんだな。 たしかに迷宮属性ならダンジョンにせめて来る外敵を疲弊できるし、火炎属性なら環境ですら敵となるわけだ。 Levelは単純だし理解できた。 一度理解できた所でまた僕は読み進める。 『そしてダンジョンに召喚する魔物ですが、この本に魔物の一覧が全てカテゴリー分けされて載っています。 ただし、魔物はダンジョンポイント(以降DPと掲載)が必要となります。 DPは外敵を撃退、殲滅すると増えていきます。 これはマスターでも召喚した魔物でもダンジョンで生成された者であれば問題ありません。 マスターであるあなたはDPを使用するので積極的に増やすことを強くおすすめします。 さらに魔物やマスターにはそれぞれLevelが存在し、撃退、殲滅する度経験値が取得できます。 Levelがあがるとステータスが上昇します。』
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!