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「僕には11歳上の姉がいるんです」
少年の話を静かにメモする少女をよそに、僕は「歳が離れてるなんて珍しい」と茶々を入れるものだから、横から鋭い眼光が飛んできた。僕は黙って熱いコーヒーを啜る。
「昨日、その姉が警察に捕まっちゃったんです!」
僕は口からカップを離し、少女は頭を上げて少年を直視する。
一筋の涙が少年の頬を伝う。
僕は少年をなんとか宥めつかせて続きを話させた。
それを纏めた少女は、わかりやすく簡潔に説明し始めた。
「駆君のお姉さんの翔子さんは、市内の看護学校に通っていて、交際している異性がいるのね。それが誰かは駆君は知らない。(見たことはあると・・・・・・)
そして、昨晩翔子さんはその恋人と出掛けた」
コクっと少年が頷くのを確認して、少女は続けた。
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