第4話

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「とりあえず、 病院には行ってください。 被害届を出すのにも必要ですし、 怪我の状態を医者に見せておくことは大事です。 何より、 病気とか、そのほかにも色々と後になって困ることだって在ると思います。 歩けないほどということだと、 捻挫ではすまない可能性だって在る。 相田さん、 お知り合いのお医者様、いらっしゃいますよね。 誰にも会わないようにして見てもらうことも可能じゃないですか?」 刑事は、 一刻も早くと言わんばかりに、 そう勧める。 「医者の知り合いは居ることはいるが… 知り合いに見せたくはないんだ。 娘があんな事件に巻き込まれたなんて噂でも発ったら…」 「わかりました。 医者はそんなことは口外しない筈ですが、 どうしてもと言われるのなら、 こちらで手配します。 ですから、今日にでも。」 目力が凄い。 その勢いで犯人を捕まえてくれ。 そう思ったとき、 二階で音がした。 ガタッ… と。 麻美が起きたんだ。 さっきやっと眠ったばかりなのに。 「すみませんが、 一旦お帰りください。 娘は見られたくはないと思うんです。 こちらで話はしますので。 病院は教えてください。 連れて参ります。」 父親がそう言って、 帰っていただいた。 「自分が見てきます。」 二階に急いで上がった…
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