甘く優しいだけじゃない

5/10
前へ
/10ページ
次へ
「ま。俺もチョコならたくさんもらったぜ?」 ガサッと紙袋には10個以上もあるチョコの山。 ライバル多し。 だから、諦めている。 こいつとは、この距離がちょうどいいんだって。 だけど、2年の春。 春日居に彼女ができたことがあった。 隣のクラスの美人な子。 ロングヘアで人形みたいに大人しい女の子だった。 春日居がマジで恋したとき、私も春日居に恋をした。 初めて味わう嫉妬に戸惑った。 私と対照的な女の子が好きだと知ったときの落ち込みよう。 でも、私は私でしかないのだと諦めた。 「春日居は誰かと付き合わないの?」 こんな台詞も顔を見ないままなら言えてしまう。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加