甘く優しいだけじゃない

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「お前こそ」 「は?私に女と付き合えと?」 「バカか。お前も好きなヤツとかいねーのかってことよ」 んぐっ!こいつにそんなこと聞かれたくない。 私は黙ってしまう。 何も知らないとは罪なことだ。 「こんな私のこと、女と認めてくれるヤツがいたらね」 いるわけねーじゃん、という答えが返ってくると思った。 いつものノリで終わって、嫌な2月14日を早く終わらそうと思った。 好きとか言える女の子たちを、羨ましく思う自分が嫌いだから。 「いるよ」 「どこに!」 「ここだよ」 「はっ?」 キョロキョロと周りを見渡す。 放課後の校庭には私と春日居しか見当たらない。 いつの間にか、部活の生徒たちもいなくなっていた。
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