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「ヤキモチやいた」
埋めたせいで、銀次の表情は見えない。
「しんちゃんにも…」
「はっ！？」
意外な人の名前に反応し、慌てて上げた顔を急いで下げた……
なんでしんちゃんが出てくるんだよ！？
何にヤキモチやいてんだよ……
ムカムカする
「……あの関西弁にも」
「……ﾁｯ」
堪らず舌打ち
「隣の女子にも……」
「……はぁ…」
何だよ……
俺が誰とも関わるなってこと？
苛々する。
目の前の膝の隙間から床を睨みつけた
「好きだから……」
聞きなれた声
この数日、やたら寂しかった
居ないのが解っていて忘れて名前を呼んだりした……
だから、
ズルいと思った。
散々苛々させといて、
最後にそれは卑怯だと思った。
そんでも、前ほど嫌じゃ無かった。
でも、答えなんて出せなかった。
「銀次は友達だ、親友だ、銀次だ……」
何、言ってんだ…俺。
「うん」
いつもらしからぬ返事に不安になって顔を少しだけずらして銀次を盗み見る……
「ん？」
(何だよ！！！)
何だか余裕じゃん！！！
俺だけやたら真面目に考えてない？
涼しげな表情に苛つく。
「ばーか、ばーか……」
「はは、何だよ…」
「お前なんか嫌いだ、ばーか……」
言っておいて、一瞬ヒヤッとした。
(傷付いたか？)
怖くなった。
また居なくなるんじゃないかと不安が過った。
「アムのばーか…」
優しい声色だった。
いつもの手が頭を撫でていつもの顔が笑った。
けど、
ほんのちょっと、ドキッとした。
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