01後悔

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案の定、 『焼鳥』がまた鳴きだした。 「クソッ」 敬介くんは舌打ちした。 敬介くんの仕事は、 新人賞をとったばかりの プロの作家。 だからほんとうは、 Aくん以上に集中力を乱せない。 「テレビや音楽も駄目だってのに」 敬介くんは、 パソコン画面の前で ため息をもらした。 「ったく、こんなことなら、 こいつを預かるんじゃなかった」 そもそも、渦中の『焼鳥』。 敬介くんのペットというわけではない。 敬介くんの友人が保護したインコを、 1週間だけという条件で預かったインコだった。 しかし友人は、 『焼鳥』を預けた3日後、 旅行先の外国で死亡した。 敬介くんは、 返す宛てのなくなった『焼鳥』を、 なんとなくで世話し続けてきた。 キーキーキーキー。 ドドドドンッ。 しかし、 ここのところずっとスランプ続き。 進まない原稿。 『焼鳥』の金切り声。 Aくんの壁殴り。 敬介くんはもう限界だった。 「あぁあぁ!! もぅ、いい加減黙れよ! オマエら! 」 →つづく。
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