01後悔

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翌朝、 結局一行も書けないまま、 敬介くんはパソコンの前で寝落ちしていた。 キーキーキーキー。 『焼鳥』は、 相変わらず朝から元気に鳴いていた。 いつもなら、 カゴから出して遊ぶ敬介くん。 でも今日は違った。 とても気分が高揚していた。 何をしても許される、 そんな狂ったテンション。 敬介くんは、 『焼鳥』をカゴから出して、 いつも通り、 人差し指に止まらせた。 そしてここからはいつもと違う。 『焼鳥』を指に乗せたまま、 敬介くんは、 バッとカーテンを開けた。 朝の光が、 敬介くんの目に豹となって飛び掛かる。 それでも、 敬介くんは怯まない。 今度は戸を開けて、 その指を、 さっと、宙に振り下ろした。 パタパタパタ キー!! キーキーッ!! 『焼鳥』の羽ばたく音。 いつもより逞しい、 『焼鳥』の声。 嘘だろ、嘘だろ。 「焼鳥ー!! 」 敬介くんは、 いまさら我に返った。 しかし、 追い掛けて捜す気にはなれなかった。 だって、 『焼鳥』がとても嬉しそうに鳴いたから。 敬介くんはこの朝、 いいことをしたという清々しさと、 罪の意識を、同時に痛感したという。 →次回予告:焼鳥空を飛ぶ編
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