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ジョージは冷静だった。
「ぼくは事実をいっているだけだ。どの作戦にもかなりの資金が注(そそ)ぎこまれている。力のある組織による犯行に間違いない。進駐官のトップに近い人たちによる権力争いに、ぼくたちが巻きこまれてしまったのかもしれない」
不安そうにクニがいった。
「おいおい、そんなやつらが相手だとしたら、おれたち4人だけでなんとかなるのか」
ぱちんと拳(こぶし)を自分のてのひらに叩(たた)きつけて、テルが叫んだ。
「相手がどれだけ大物だろうが、おれたちで絶対に悪の組織を暴(あば)いてみせる。できるかできないかじゃない。やるしかないんだ。亡くなった五十嵐の顔を見ただろ。それは安らかな笑顔だった。やつは自分の仕事をちゃんと果たした。生き残ったおれたちも、自分たちの仕事を果たす。それが進駐官だろ」
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