終わりは始まり

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「一時はどうなるかと思いましたが、何時もの橘先生に戻って良かったですね。会長」 と俺が思っていたことを西城が橘先生と腐男子コンビニのやり取りを見ながら言い笑った。 「てめぇはエスパーかなにかか?」 「会長ぉは、直ぐに顔に出るから分かりやすいんだよねぇ~」 と俺の問いに答えたのは大原で、それに西城も頷いた。 「ほらほら、皆席に着いて!」 と、どうにか二人を落ち着かせたらしい橘先生を横目に俺も適当に近い席に座った。 それから先程から感じていた視線に 「みてんじゃねぇぞ」 と一言言うと、その視線は直ぐに無くなったが隣の席から 「あんだけ騒いだんだ。そりゃ嫌でも気になって見るだろうよ」 とのんびりした口調で言ってきた鬼塚を睨み付けた。 「何でてめぇが俺の隣に座るんだよ。しかも然り気無くてめぇらも俺の近くに座るんじゃねぇよ」 言っている間に前の席に大原と西城が座った。 「これじゃ、もっと目立つじゃねぇかよ…」 と呆れて額に手を当てた。 「まぁ、良いじゃないか。何だかんだお前だって嬉しいんだろ?」 とニヤニヤしながら言ってくる鬼塚に俺は何も言わずに橘先生の話をほぼBGMの様に聞きながら俺は一人窓の外を眺めた。 「(変わったのか変わってないのかわからないな……。全く)」
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