終わりは始まり

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「お、お前…」 とその視線に気づいたらしい鬼塚がニヤリと笑って 「いやー、辰樹の声が刺激的で。今日一発やるか?」 と聞いてきたので一発殴ってやった。 「明日は交流会だっつーの!!」 と叫ぶと 「わかったよ。じゃ最後に」 と言って距離を空けていたはずがいつの間にか埋まっていた俺に鬼塚が強く抱き締めてきた。 「く、苦しっ」 あまりにも強い力で腕を緩めようと試みるが全く敵わなかった。 「……もう少しこのままで居させてくれ」 と言う鬼塚はさっきからからかっていた雰囲気と全く違い真剣な面持ちでいた。それに強ばっていた力を抜くと俺も答えるように鬼塚の背に手を回した。 「(たかが、一週間ってもそりゃ長いよな)」 と今更ながら会えないことを実感していると 「愛している」 「俺もだ」 鬼塚が耳元で言ってきたので俺も素直に言った。それから数分お互いに抱き合った後鬼塚は何事もなかったように帰っていった。 「愛しているよ、祐希」 その声は静寂の部屋に溶けるように消えていった。
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