279人が本棚に入れています
本棚に追加
動揺しながらも詳しい説明を求めると
「いやー、どうやら理事長の間違えで、僕の代理を一週間遅くしちゃったみたいなんだよ。だから、僕は急きょ学校に戻って授業をしなくちゃいけなくなっちゃったんだ」
と何ともないように言う橘先生に俺は
「え、じゃ俺たちはどうすれば?」
と聞くと
「君たちなら先生がいなくても大丈夫だろうって理事長が言ってたから、君たちだけで楽しんできてね」
と無茶苦茶なことをしらっと言ってきた。いきなりの出来事に思考がついていかない、そんな間にも時は待ってはくれないようで、気が付いたら橘先生は乗ってきたリムジンで学校へと帰っていってしまった。
「どおすんだよ、これ」
と額に手をあて項垂れていると、篠原が目を輝かせながら
「大丈夫!この学園は知り合いばかりだし、特に理事長は叔父さんの友人だから」
と言ってきたが
「お前の大丈夫は当てになんねぇよ」
と言って仕方なくまた理事長室を目指した。
最初のコメントを投稿しよう!