第2話 姉の遺産
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モバイルの電子音で目が覚めた。 夏休みも半ば。 今日はバイトが休みだから朝寝しようと思っていたのに…。 朝の7時過ぎだった。 布団の横に無造作に置かれたモバイルを取り上げ画面を見ると、見慣れない名前が出ていた。 ぼんやりしていた頭が、次第にハッキリしてくる。 ”寺西 武善(てらにし たけよし)”に反応して、思わず身体を起こす。 「は…、はい。……蒲生ですが…」
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