17人が本棚に入れています
本棚に追加
---------------
<諒汰>
忙しい。。。
もう何日休んでいないんだろう・・・
今朝、リビングがうるさくて起きた。
寝たのが4時なのに、こんな時間になんだよ・・・
苛ついて部屋を出たら、掃除機を掛けている美優が居た。
「あ、おはよー!」
俺は返事すらせずに、ムスッとしたままでいたら。。
「あ、ごめん。掃除機うるさかった?もうやめるね。ごめんね」
そう言って掃除機を片付けた。
丁度仕事に行く時間だしと思って支度。
リビングを通り抜けようとした俺に
「諒!朝ご飯は?」
「いらねぇ」
その言葉だけを残して、俺は家を出た。
美優が悲しそうな顔をしていることなんか全く知らずに・・・
その日の仕事が終わって家に着いたのが26時だった。
部屋に明かりがついていて・・・
玄関をあけたら
テレビの音が聞こえてきたのと同時に
「おかえり!」
笑顔の美優が目の前にいた。
「これから仕事?」
それだけを言って、返事も聞かずに俺は部屋に戻った。
仕事の支度をしていたからそこにいただけだろ。どうせ。
「トントン」
着替えていたらノックする音が聞こえた。
「諒。ご飯食べる?」
「いらねぇ。食ってきた」
「そう。わかった」
そんな短い会話。
もうこのまま寝る。
明日シャワー浴びる。
俺は美優の変化になんて全く気付いていなかった。
そんなある日
珍しく仕事の入りが遅かった日、
午後からだったから、どうせ美優いないと思っていたのに、キッチンに美優がいた。
「おはよう!よく眠れた? ご飯食べる?」
「・・・・・」
ボーッとしたままの俺に
「諒?」
「ん・・・あぁ。今日なに?」
そう言えば、ここのところ毎日「ご飯は?」って聞かれてた気がする。
なのに一切食べた記憶はない。
今日の仕事が遅くからだったせいか、少し食べたいという気が起きていた
「和食にしたよ。 具だくさんの豚汁と、お魚。それにちょっと切り干し大根炊いてみたよ」
すっごく嬉しそうに言う美優が目の前にいた。
けど俺はボーッとしたまま・・・
「ん」
「少しだけでもいいから、食べてもらえると嬉しい・・・な・・・」
最初のコメントを投稿しよう!