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その日の仕事が終わった時、西山さんが深刻そうな顔をして言った。
「美優ちゃんが倒れた・・・」
「は?なんのドッキリすか?」
俺は平然としていた。
倒れる意味がわからなかったから。
「諒汰・・・お前・・・美優ちゃん倒れたんだぞ?心配じゃないのかよ・・・」
「倒れるって意味わかりませんよ。家にずっといて、仕事なんかほとんどしてないくせに、なんで倒れるんすか?」
「お前・・・なんにもわかってないのか?」
「はぁ?」
「なにも気付かなかったのかよ!」
「なんすか?」
イラッとした、俺が何をした?
「美優ちゃんお前の為にって頑張ってたのに・・・」
俺のため?
なんだそれ?
イライラした。
テーブルに起きっぱなしにしておいたタバコを手にとって、吸い始めた。
それでもむかついてしょうがないから、ゴミ箱を蹴っ飛ばした。
そんな俺の様子を見ていた西山さんが・・・
「お前をそんなに余裕のない人間にしてしまったの俺だな。ごめん」
はぁ?ますますわかんねー。
「・・・・」
「昔のお前なら、美優ちゃんのことすっごい気にして、美優ちゃんが頑張れるようにって電話したりしてたのにな。電話の後はお前もすごい仕事頑張ったりしててさ。なのに・・・ごめんな」
だからなんだよ?
「・・・・」
あぁでも昔はそうだった気がする。
美優が隣にいて、一緒に仕事して、別々の時は始まる前に電話とかしてた。
それだけで嬉しかったんだ。
なのに。。。
今は。。。
最近美優と話したのっていつだろう。。。
今月話したっけなぁ・・・
あいつは話しかけていたような気がする・・・
でも俺は・・・・
そう思っていたとき・・・
「ちょっとこれ見てくれる?」
そう言って3枚のスケジュールを出してきた。
「これ・・・」
「1枚はお前の今月。あとの2枚は美優ちゃんの先月と今月」
「はぁ。」
だからなに?
「コレ見てなんとも思わないか?」
そこには、予定のびっしり詰まった俺のスケジュールと、1日の真ん中あたりだけ予定がびっしり入っていた美優のスケジュールがあった。
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