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「これが?」
「わからない?」
「昼間しか美優仕事してないんですね。いいなぁ」
「お前・・・馬鹿!?」
「はぁ?」
なんでマネージャーに馬鹿呼ばわりされなきゃなんねーんだよ!
「美優ちゃんは、お前の為に仕事を短時間に詰め込んだんだよ」
「は?」
「朝はお前よりも遅くでて、夜は必ずお前よりも先に帰るって事をしたかったんだそうだ。」
「・・・・」
「朝起きたらご飯が出来ていて、元気に送り出してあげて、夜も明かりのついた部屋に迎えてあげたいからって・・・」
「・・・・」
「美優ちゃんはな、空っぽの冷蔵庫を見て、悲しくなったんだと。諒汰になにもしてあげられてないって・・・」
「・・・・」
「お前の笑顔が見たくて、お前の為にお前が仕事でもっともっと輝けるようにサポートするのが自分の役目。それくらいしか出来ないからって・・・」
「・・・・」
「どんなに遅く帰っても、美優ちゃん居ただろ?」
「・・・・」
「仕事している時の美優ちゃん、山中も見てられないって言ってたぞ!」
「え?」
「少しでも休憩取ろうもんなら、その時間も仕事入れてくださいって、その分早く帰って、待っていたいからって・・・」
「・・・・」
「美優ちゃん・・・仕事セーブしてもらえないなら、仕事辞めるって言ったんだぞ・・・」
「え!?」
「辞める覚悟してまで、お前の為になにかしたかったんだな・・・」
「・・・」
「・・・」
「美優・・・俺にはそんな事ひとことも・・・」
「美優ちゃんが仕事セーブすることは、お前に内緒にしておいてほしいって言ったんだよ」
「・・な・・んで・・・」
「お前に心配かけたくないんだと。自分に出来ることをしたいだけだからってさ。お前が気にしちゃダメだから、普通にってさ」
心配って・・・
いつも心配かけてきてたじゃねぇかよ・・・
なんだよ・・・
なのに心配かけたくないって・・・
俺が輝けるようにって・・・なんだそれ・・・俺は・・・お前が光放つのを見たかっただけなのに・・・
美優の笑顔が見たかっただけなのに・・・
いつの間にかそれすら忘れて・・
「諒汰の仕事が予定よりも早く終わった時なんか大変だったんだぞ」
「え?」
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