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「美優ちゃん仕事必死に頑張って、なんとか早く終わるようにってスタッフにまで気を使ってさ、頭まで下げてたって。だから俺がお前を送る時にわざと遠回りとか寄り道とかして時間を調整してた」
「・・・俺・・・何も知らなくて・・・」
「それでよかったんだよ。お前は何も知らない。何も知らないまま、変わらないままで頑張る。それが美優ちゃんの望みだったんだから」
美優・・・・
「西山さん、今美優何処にいますか?」
「あぁ、盟邦大付属病院だ」
「連れて行ってもらっていいですか?」
「ダメだな」
なんでだよ・・・
「面会時間は終わってる」
「でも・・・」
「いくらお前でも、面会時間過ぎてまでは無理だ。他の患者さんもいるんだぞ」
「・・・・・」
どうしたらいいんだよ・・・俺・・・
何も知らなくて・・・
絶対美優を傷つけてたと思う。
美優・・・・・
「目覚めたら見られるように、メールでもしといてやれよ」
「メール・・・」
そう言えばそれすら最近はほとんどしてなかった。
なにやってんだ俺・・・
「西山さん」
「ん?」
「明日からの俺のスケジュール時間ずらせませんか?」
美優の側にいたい。
美優にあやまりたい・・・
「んー。。。」
「昼間5分でも、10分でもいいから、美優のところへ行く時間が欲しいんです。その分夜中頑張りますから。俺が美優の為に出来ることをしたいんです。じゃないと・・・俺・・・」
あーなんで俺涙でてんだろ・・・
そういえば昔も、美優のことになると涙腺緩んでたっけな・・・
「やってみる」
「え?」
「え?じゃねぇよ。 撮影順番変えてもらったりして、出来る限りのことをしてみる。今度はお前が美優ちゃん支えてやれ! そうしたいんだろ? 昔みたいに」
昔みたいに・・・・
違う・・・
「違いますよ。昔みたいに・・・じゃなくて・・・昔以上に!です!」
諒汰のオーラが強くなったのを西山は感じていた。
最近まったく気配すら見せなかったのに・・・
やっぱり諒汰と美優は一緒じゃないとダメだな・・・
そう思った西山だった。
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