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目覚めてもそこにはやっぱり美優はいなくて・・・
リビングに行ってもいなくて。。。
項垂れるしかできなかった。
「ピンポーン」
玄関で音がした。
西山さんだった。
玄関を入るなり、俺の顔をジッと見て、いきなり俺の両頬を手で挟み
バチンッ!!
痛いという感覚がなかった。
なにも言えずにいたら
また
バチンッ!
「おい!諒汰!しっかりしろ!お前がそんなでどうするんだよ!」
「・・・・・」
「そんな元気のないお前、美優ちゃんが望んでると思うか?」
「え・・・」
「美優ちゃんがお前に言わなかったのは、お前のままで輝いててほしかったからだろ?なのになんだよ。今のお前、どうしようもねぇよ」
「・・・」
「そんなんじゃ美優ちゃん目覚めねぇぞ」
そんなこと言うなよ・・・
俺が元気なら美優は戻ってくるのかよ・・・
「ほらいくぞ!」
なんだよ・・・ほっといてくれよ・・・
それでも西山さんは俺を引っ張った
そして
「今日の仕事全部キャンセルしたから。1日中美優ちゃんのとこにいろ」
!
「にし・・・やま・・・さん・・・」
今日の仕事、確かすげークライアントうるさかったはずなのに。。。
「すみません。。。俺のせいで・・・」
そう言う俺に、西山さんは笑顔で・・・
「心配すんなって! 社長がな、クライアントと話しつけてくれたんだよ。」
「え?」
「大切な諒汰と美優の為だからってな」
「社長・・・」
俺はどこまでみんなに迷惑をかけているんだ・・・
もう迷惑はかけない。
俺がみんなを幸せにする!
「西山さん。着替えてきます。ちょっとまっててください。」
そう言って俺は、着替えて、こう言った。
「西山さん、美優の所に行く前に寄りたいところがあります。」
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