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「美優」
「ん?」
あぁそんな普通に呼んで返事してもらえるだけでも感動してしまう。
俺が美優を呼んだ瞬間、社長は一歩壁の方へ下がった。
「あのさ・・・」
「なに?」
「んー」
「なによ。早く帰ろうよ」
せかす美優をソファーに座らせた美紀。
ん?って顔をしている美優の前に・・・
「美優。これにサインしてからにしよ」
俺は婚姻届を置いた。
美優はそれを見つめたまま固まって・・・
みんなもその固まった美優をジッと見たまま。
「美優」
そう呼んだ俺の言葉にハッとして動いた美優に
「俺と結婚してください」
と伝えた。
美優は社長の方を向き
社長はその顔を見て、笑顔でうなずいた
きっと、今までの仕事の責任とかいろいろ考えて、「いいの?」っていう確認だったのだと思う。
社長の頷きを見て
美優は泣き出した。
目に涙をためて、一気にあふれさせて
なんども
うん。うん。
とうなずいた。
美紀が・・・
「私が証人だよ。 ったくあんたたち、昔からそうだけど、いつまで私に世話やかせんのよ。ったくバカップル!」
その言葉に、みんな笑った。
その日のうちに、社長はマスコミ各社にFAXで発表し、世間に知れ渡ることとなる。
でもね、とあるニュース番組に出ていたゲストの言葉がさ
「この2人が一緒になるのは元々わかってましたけど、いつそうなるかだけが気になってたんですよ。」
「わかってたんですか?」
「見てればわかるでしょ」
あぁそう。
やっぱりわかってたよね。
と思ったら・・・そこに明記されていた名前を見て美優が叫んだ・・・
「あー!!!!!! あれ!あれ! 水島由香!」
あのストーカーっ子だった。。。
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