最後の戦い

5/5
前へ
/5ページ
次へ
キーンコーン・・・  二時限目の予鈴だ。席につかなければ・・・と、あたりを見回したが、誰も席につかない。なぜだ?さっきは授業を受けていたのに・・・ 「何で座ってるの?また授業受けるの?」 「一時限目は全員授業受けてただろ?」 「あ、そっか。知らないんだよね。ここ、去年から、二時限目から授業を受けなくてもいい制度ができたんだって。そのかわり、一時限目は絶対に全員参加。守れない生徒は、停学、もしくは退学になるんだって。」 ふーん、そんなことになってたのか。授業を受けるより、退学になったほうがいい人間もいるんじゃないか?まぁ、選んでここに来た人間は、退学なんかになりたくないだろうが・・・ 「そうなのか。教えてくれてありがとう。」 「そ、じゃぁ、校内案内してあげるよ。」 彼女は僕の手を無理やり引っ張り、連れて行こうとした。 「はっ!?僕、人とつるむ気はないって・・・」 「いいから、学校のこと知らないかったら、あとで後悔するかもよ!」 はぁ、なぜこうなる・・・さっき、こうなるのは嫌だと思ったばかりだというのに・・・ ここに来てから変なことばかり起きてるような気もする・・・ 彼女、あぁ、もうめんどくさい。アズということにしよう。 アズはまず初めに、僕を体育館に連れて行った。 「ここが体育館。ほら、ここに何か削って書いてあるでしょ?」 「あぁ、何て書いてあるんだ・・・?」 こ・・・こ・・・に・・・??なんて書いてあるのか本当にわからない・・・ 「『ここに、永遠の友情を誓う。』って書いてあるんだよ。」 「永遠の友情・・・」 馬鹿馬鹿しい、なにが友情だ。 「・・・君は、アズはさぁ、青春とか友情とか、信じるのか?」 「そうだなぁ・・・私は信じたいけど、信じることはできないなぁ~。」 「そー。僕は青春だとか友情だとか、そんな馬鹿馬鹿しいことには興味ないんだ。」 「どうして?」 「そのせいで、姉さんはここにいる目的を見失ったから。もう姉さんのように失敗はしたくないんだよ。」 「ふぅ~ん。君にあまり深くかかわろうとは思ってないけど、君のお姉さんは、きっと自分の意志で、そうしたんだと思うよ。」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加