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キーンコーン・・・ 二時限目の予鈴だ。席につかなければ・・・と、あたりを見回したが、誰も席につかない。なぜだ?さっきは授業を受けていたのに・・・
「何で座ってるの?また授業受けるの?」
「一時限目は全員授業受けてただろ?」
「あ、そっか。知らないんだよね。ここ、去年から、二時限目から授業を受けなくてもいい制度ができたんだって。そのかわり、一時限目は絶対に全員参加。守れない生徒は、停学、もしくは退学になるんだって。」
ふーん、そんなことになってたのか。授業を受けるより、退学になったほうがいい人間もいるんじゃないか?まぁ、選んでここに来た人間は、退学なんかになりたくないだろうが・・・
「そうなのか。教えてくれてありがとう。」
「そ、じゃぁ、校内案内してあげるよ。」
彼女は僕の手を無理やり引っ張り、連れて行こうとした。
「はっ!?僕、人とつるむ気はないって・・・」
「いいから、学校のこと知らないかったら、あとで後悔するかもよ!」
はぁ、なぜこうなる・・・さっき、こうなるのは嫌だと思ったばかりだというのに・・・ ここに来てから変なことばかり起きてるような気もする・・・
彼女、あぁ、もうめんどくさい。アズということにしよう。
アズはまず初めに、僕を体育館に連れて行った。
「ここが体育館。ほら、ここに何か削って書いてあるでしょ?」
「あぁ、何て書いてあるんだ・・・?」
こ・・・こ・・・に・・・??なんて書いてあるのか本当にわからない・・・
「『ここに、永遠の友情を誓う。』って書いてあるんだよ。」
「永遠の友情・・・」
馬鹿馬鹿しい、なにが友情だ。
「・・・君は、アズはさぁ、青春とか友情とか、信じるのか?」
「そうだなぁ・・・私は信じたいけど、信じることはできないなぁ~。」
「そー。僕は青春だとか友情だとか、そんな馬鹿馬鹿しいことには興味ないんだ。」
「どうして?」
「そのせいで、姉さんはここにいる目的を見失ったから。もう姉さんのように失敗はしたくないんだよ。」
「ふぅ~ん。君にあまり深くかかわろうとは思ってないけど、君のお姉さんは、きっと自分の意志で、そうしたんだと思うよ。」
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