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特に何の支障もなく季節が巡る
少年は男――ドフラミンゴから様々なことを教わった
文字の読み書きに始まり、物の買い方、地図の見方・・・とにかくありとあらゆる事を教わっていた
その度に少年は世界がどれだけ広いのかを思い知った
気付けば少年は15歳になっていた
男は少年を見やり、珍しくため息を溢した
男が少年を誘拐したのは、間違いなく男の退屈しのぎであった
しかし今はどうだろう、と男は自問自答を繰り返す
飽きることなく手元に置き続け、甲斐甲斐しく少年の世話をする自分に、しかし男はそれも悪くないと失笑した
男は既に少年を愛していたのだ
(ガキ・・・か)
ふと脳裏に少年との間に子が産まれるのならば・・・という願望が過る
しかしそれは、所詮は叶わぬ夢だった
少年はあの研究所で生み出された人工生命体ではあるものの、それ以上にもそれ以下にもなれないのだ
かといって少年を造り変えるなど、もはや男には出来ない話だった
ならば、と男は迷うことなく禁忌に手を伸ばした
少年も、法と秩序から見ればまごうことなき禁忌なのだ
少年の存在自体が禁忌ならば、男は禁忌を愛し、溺れてしまおうと誓いを立てた
(愛してるぜ、レン)
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