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「兄ちゃーーーん!」
手を振りながら駆け寄ってくる隼人。
思わず頬がゆるむ。
「隼人、こんな遅くまで遊んでたのかぁ?おまえ、まだ小1なんだからもうちょい早く帰って来いよな…母さん怒ってたぞ?」
俺がニヤリと笑ってそういうと、隼人の顔が一気に青ざめた。
「母さん…怒ってた…????」
そう言って心配そうに見上げてくる隼人が、なんだかおかしくて、思わず笑ってしまった。
「…なんで笑うんだよ!あ、もしや俺騙された?!」
「はは…ッ!うん、そう。……………ゴメン、兄ちゃんが悪かったって!」
隼人の膨れっつらがいっそう激しくなってきたので、慌てて誤った。
すると隼人は、しょうがないなぁ兄ちゃんは…、とニカッと笑った。
「これから夕飯に使うクローバー採りに行くけど、一緒に来るか?」
「わー行く行く!」
二人は仲良く手を繋ぎ、夕飯を確保するべく、近くの公園へと歩いていった。
毎日こんな飯ばっかだったけど
俺には十分幸せだったんだ――
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