3章

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 以前と変わらずデューは仕事で忙しく、夜になっても家に帰って来ない。1人寂しくベッドに潜り込み、明日から始まるアメリカの大学生活を思い描きながら、眠りについた。  次の日の朝。  Leeが起きるとデューがLeeを大学に送るため家に帰って来ており、買ってきた朝食のパンを皿に並べ、Leeがコーヒーを飲めないのをすっかり忘れコーヒーを作っていた。 Leeは、朝から漂ってくるコーヒーの香りで食欲をなくし、これから始まる大学生活を考えるとさらに不安に襲われ、朝食が喉を通らなかった。 デューは、ほとんど食べていないLeeの朝食を片付けながら、Leeの準備が出来るのを待っていた。  大学までは、デューの車で約1時間。 車の中から流れてくるラジオ番組を聴きながら、デューはLeeに気を使い、大好きなタバコを吸うのを我慢しながら、出勤の車の渋滞に耐え大学に向かった。  大学に着くとデューと一緒に大学の学長に会いに行き、大学生活の説明を聞いていたが、Leeは2人が何を話しているのか、早すぎて聞き取れなかった。 デューが大学の手続きをし、Leeは初日から授業を午後まで受ける事となった。 朝は一般授業、午後から専門授業。 Leeは午後の専攻はアジア文化を選択していたので、午前よりは何とか理解出来たが、午前の一般授業は全く理解出来ず、ただ座っているだけだった。  Leeは大学ではなく語学学校に行きたかったが、祖母が大学に莫大な寄付をしているから通えるのを知っていたので、単位が取れなくても全く気にしていなかった。 2年前に受けたGrammerⅠ(英語文法Ⅰ)の授業は落第点評価“F”だったので、今回も早々諦めていた。 この大学は、学力が高くないので他校に比べ受講科目の取得は比較的簡単だが、それでも英語の分からないLeeには難しい。  一方 ダニエルは頭が良く、すでに3年生。 授業のレベルが全く違うので、大学で一緒にいられるのは昼の時間だけ。その時でも女の子が周りにいるので、Leeは一緒に居づらいけれど、帰りはダニエルと一緒に帰れるので、授業が終るのを心待ちにしていた。
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