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コンピューター室にいた他の学生達が2人を見ていたので、Leeはジャスミンに静かにするように言うと、ぴたっと叫ぶのを止め、パソコンの画面にデータが出てきたのを見ると、ジャスミンはまた甲高い声を出して喜んだ。
Leeはジャスミンに原因を説明したが英語が通じず、ジャスミンは眉間にシワを寄せ、初めてLeeが英語を話せない事に気づいた。Leeは説明をしたくても言葉が見つからず、どうする事も出来ない。
「明日、時間がありますか?」
Leeが、ジャスミンに聞いた。
「明日、教えてくれるの?」
ジャスミンは、上目使いで聞き返した。
「明日の放課後、OK!」
Leeは時間が十分あるので、小声で言った。
「じゃあ、明日ね!ば~い」
ジャスミンは、カバンを肩に掛けて帰ろうとしていた。
「USBメモリ、知っていますか?」
Leeは、ジャスミンに聞いた。
「何それ?新しいバンド?」
ジャスミンはUSBが何か分からないまま、気にせずにコンピューター室を足早に出た。
すると一気にコンピューター室は静まり返ったが、Leeの心臓の鼓動は止まらなかった。知らない人と、長話をしたのはアメリカに来て初めてなので、家に帰っても何も手に付かず、そのまま眠りについた。
眠っている間、デューから携帯電話に電話がかかってきていた。
翌朝。
デューからの電話の着信も気にならないほど、大学に行きたくて上機嫌のLee。
授業が終わるのが待ち遠しく、授業が終わると すぐにコンピューター室に行くと、もうジャスミンは待っていた。
今日のジャスミンの服装は、昨日より少し大人しい色、グリーンの長袖のシャツ、タイトな薄色の水色のジーンズ姿でイスに座っていた。
「ちょっとぉ~、待っていたんだから」
ジャスミンは普通の音量で話してきた。
Leeが辺りを見渡すと、ジャスミン1人なのでLeeは安心し、Leeの持って来た黒色のUSBメモリをジャスミンに見せた。
「これが、昨日私が言ったUSBです。この中に、データを入れます」
「この中にデータを入れるの?こんなに小さいものに?本当に、大丈夫?」
ジャスミンはUSBを覗き込み、半信半疑な顔。
USBを初めて見た様子だった。
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