4章

9/26
前へ
/37ページ
次へ
 デューはソファーで寝ていたので、服はシワシワになっていたが、全く構わず、昨日と同じ服のまま早速電話を掛けたが、また誰も出なかった。 諦めず再度電話をかけたが同じ。ふと腕時計に目を向けると朝の7時過ぎ。 「何だ、まだこんな時間か」 デューは持っていた受話器を置き、まだ朝早いので部屋を出て、警察署の斜め向かいの良く行くカフェに朝食を食べに行った。 店の人とは顔なじみなので、席に座るなりコーヒーが出て、いつも 通り店の人と朝の会話。 「いつもの?」 「おう」  デューは警察署にいる時は、近くて早く安いのでいつもこの店。 朝はホットドッグ、スクランブルエッグ、ポテトサラダとコーヒー。メニューを見て決めるのが面倒なので、いつも同じ。  あっという間に朝食を終わらせ警察署に戻り、再度電話をかけると今度はつながり、会社の事務らしき女性が出て、警察署と言うだけで相手は動揺していた。 事務らしき女性は、以前会社が捜査された事を思い出し慌てて受話器を保留にし、走って上司に事情を報告しに行った。 少しすると、受話器の向こうから男性の声が聞こえてきた。 「責任者です」 「今週末のパーティーで聞きたい事がある」 「またですか?以前も、捜査に協力したじゃあないですか。うちは場所を提供しているだけで、どんなパーティーをしているかなんて、内容までは知らないですよ」 男性は困った口調で答えた。 「聞きたいのは、週末のパーティーを申込んだ人の名前と住所と電話番号、それだけだ」 「それならそうと、最初に言ってくれれば。すぐに調べますよ」 相手はあっさりと教え、デューは聞き出した名前を警察にある情報と照合したが、該当なし。鉛筆の後ろ側を口に加えながら受話器を取り、くわえていた鉛筆の後ろ側で電話のダイヤルを押し、主催者に電話をかけた。 「週末のパーティーの事について聞きたい」 参加者を装ってデューが電話すると、今時の若者の男性学生が電話に出た。 「どこの学生?何年生?誰から聞いた?」 たて続けに質問してくるので、デューはいらっとしながらLeeの大学名、学年、ジャスミンの名前を告げた。 「今度のパーティーは大学生の集まり。麻薬は駄目。どうやら会場を貸してくれる会社が、前に警察から捜査を受けたからだって。まあ、大麻ぐらいはOK!もちろん酒もあるから、飲んで騒いでってとこ」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加