4章

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 最後まで話を聞かないまま、デューは電話を切った。  その夜。  デューは家に帰り、Leeにゆっくりと分かり易い英語で話を切り出した。 「Lee、今週のパーティー行くか?」 「デューの話を聞いて、怖いパーティーや危ない事があるのが分かりました。でも、行ってみたいです」 Leeは、デューの話でアメリカのパーティーの事情が分かったが、好奇心の方が強かった。 デューは、外出をしないLeeが興味を示しているのは嬉しかったが、仕事上、パーティーでの事件が多発しているので、気が進まなかった。そこでデューは、Leeにパーティーに行くために、2つの条件を出した。 「Lee、必ず家に帰って来るように。そしてもう1つはダニエルと一緒に行き、一緒に行動する事。これが守れるのだったら、行ってもいいぞ」 「OK!」 Leeは、すぐ返事した。 「でもダニエルは、週末空いているでしょうか?ダニエルに、聞いてみます」 「ダニエルは、大丈夫だ」 「ダニエル、予定があると思っていました」 「一緒に行って、楽しんでおいで」 デューはLeeに、優しく言った。 「パーティーに、どのような服を着て行けばいいですか?」 「いつも、大学に着て行っている服で十分」 「本当ですか?ドレスを着ないのですか?」 Leeは、デューの答えを信じていなかった。 「じゃあ、どんな服を着て行くつもりだ?」 するとLeeは、テレビで見る様な衣装の説明を始めた。 「長いドレスを着て、手には小さいバッグ」 「それは、映画の授賞式。特別なパーティーだから着ているのだ。学生のパーティーではドレスなんか着ないぞ、普段の服だ」 「私だけが普通の服で行って、笑われたら困ります。恥ずかしいです」 「ドレスだと、もっと恥ずかしいと思うぞ」 デューは笑い、平穏な夜が更けていった。
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