2章

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 デューの家の2階にあるLee部屋に上がると、1年前に出て行った状態のまま綺麗に部屋が片付けられていた。 後ろから、デューが両手にLeeの荷物を持って2階の部屋へ上がって来て、荷物を部屋に置くと、1階へついて来るようにジャスチャー交じりに言ってきたので、Leeはデューの後を追って1階へ降りた。  Leeがついて行った先は、風呂場。 デューに風呂場を開けるように言われたので、Leeは風呂場の扉を開けると、以前シャワーだけの風呂場に湯を溜める浴槽があり、洗い場とは別になっていた。 以前、Leeはシャワーだけで不快な思いをしていたので、大感動! Leeは香港人にしては珍しく長風呂なので、シャワー生活がアメリカの生活で疲れた原因の1つでもあった。  これでデューの家には、デューのシャワー室1つとLeeの浴槽付風呂場の2つ、さらにトイレも風呂場とは別の場所に、新しく設置されていた。 アジア人には、風呂場とトイレが一緒の部屋にあるのは抵抗がある。デューは、Leeが快適にアメリカで生活出来るようにと考え、すべてデューの金で改築していた。Leeは嬉しくなり、早速風呂に入る事にした。 デューは改築したが、洗い場と浴槽が分かれている風呂に入った事がないので、どのように使うか不思議だったが、覗くわけにもいかず、Leeが風呂から出でくるのを待っていた。  1時間、2時間と待ちくたびれていると、やっとLeeは風呂から出て来て、長旅の疲れが取れ、やっと落ち着いた様子に見えた。デューはLeeの長風呂に驚きながらも、風呂場を改築して良かったと感じていた。  普段、食事らしい料理を作った事がなかったデュー。 ハンバーガーに炭酸というアメリカらしい食べ物を食べていたので、以前Leeとの生活は大変だった。Leeはアジアの食事で米中心。デューはファーストフードやパン中心の食事。 しかしこの日、Leeを待っていたのは中華の宅配料理。 料理が出来ないデューのLeeへの精一杯のもてなしだった。 Leeは、あっという間に中華料理を食べつくし、緊張と長旅から開放され、すぐ眠りについた。 デューも気を使った1日だったので、仕事の時とは違った疲れに襲われ、ソファーに横になったまま眠ってしまった。
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