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「ごめん、遅くなって。
待った?」
「いえ、私も少し前に来たところです。
それよりも休日出勤、お疲れ様です」
ワザと目を見てから可愛らしく笑い、ぺこりと頭を下げる。
「ありがとう。
仕方ないよ、今は忙しいんだし……。
でも、そのせいでなかなか会えなくてごめんね」
申し訳なさそうに謝り、
私の前に座る男。
一か月前に里子のコンパで知り合った相手だ。
相手は勿論、
私のネイルを褒めてくれた
目の前に座っていた河合さん。
―――ではなく、伊田さんだった。
そう。
里子が目を付けていた相手だ。
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