月の駅

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「夜行が道に迷った」  そこは、日の光も月の光も消えていました。 なのに、ほどよく明るい世界でした。  山も海もなく、砂や砂利が広がるばかりの ところです。  オサムの列車と併行して、一本の線路が 設置されていました。  どこまでも続く、一本の線路です。  寝静まった夜行列車のドアは、いつの間にか 開いていました。  と、かなたから小さな光が 近づいてきました。  光はだんだん大きくなり、列車の先頭の ランプだと言うことがわかりました。  列車は一両だけの古い型のものでした。  目の前で静かに列車は停車し、ドアが開きます。
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