第2話

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「――あれ? 何だか拍子抜けだな。 怒らないの?」 「怒って欲しかったんですか?」 私は時々、彼と対等でありたいと思うがため、つい大人の女を演じてしまう。 「でも、別に怒る理由なんかないですから」 きっと田原さんからしたらかわいくない女だと思う。 でもそれで良いのだ。 いずれ離れる時が来た時、お互いきれいさっぱり別れる為には相手にのめりこまず浅いつきあいでなければいけない。 この均衡を保つことがこの関係をうまく保つ為の秘訣だ。   「寒くなったし、次あたり、SM部屋挑戦してみる?」 「はぁっ!?」 ……さすがAB型、全然話が噛み合ってない。
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