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「だから、それは未来の旦那様との為にとっておくんです」
どうだと言わんばかりにきっぱりと言い切った。
「…」
しばらく私に視線が向けられているを感じたけど、構わずに凛として歩き続ける。
「……ふーん…」
いつになく不服げな声で曖昧な相づちをうった田原さんに何だかよくわからないけど、駆け引きに勝ったような優越感を得た。
「残念。生意気な女を屈服させたくなるのは男のサガなんだけどな」
「男の、じゃなくて田原さんだからでしょ?」
「三度目だね、その台詞、古すぎて次はもう使えないよ」
二人で見合って、込み上げてきた笑いを抑えることなく派手に笑った。
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