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AM 7時30分
in 1ー2教室
「俺さぁ、このままじゃダメな気がすんだよね~」
朝の独特のダルさを感じながら、 机に突っ伏して、顔だけで左隣を見た。
「…………」
無言で分厚い本を読み進める黒髪めがね。
コイツはやたらと細かい文字が敷きつめられている本を昔から好んで読む。
それこそ、初めて会ったときから。
第一印象“まじめなヤツ”
中学で黒縁の眼鏡を掛けるようになって益々まじめっぽい。
悪いけど俺には細かい字の良さが全くわからない。
「……何が?……って聞かれたかったの?」
やっと本から顔を上げたと思えば、素っ気ない言葉が。
冷たいっつーか、言葉が凶器のようにつ
き刺さる。
「べーつにー。ただ、高校入ってそろそろ一年経つのに、全然青春を謳歌って感じしないなぁと思っただけ」
「青春って…奏司(ソウジ)は具体的に何がしたいの?」
そう言って、パタリと本を閉じ、眼鏡を拭き始めた。
何がしたいって言われてもなぁ……。
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