第10話 高木春紅編①

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 幼いころは好奇心を殺さなくていい。  見たいもの、知りたいものに、素直に感性を発揮する。  そのとき大人は、見せてもいいもの、知らせてもいいものを選別する。  情報の取捨選択は、大人によって行われる。  それが、幼いころは不満に感じるものだ。  けれども年を重ねるにつれて、世の中には知らないほうが幸せなこともあるのだと気付く。  理解するようになる。  自分で情報を選ぶようになるころには、こどもか大人かどちらの立場でいればいいのかわからなくなる。  もし、興味を持ったものが、知らないほうがいいものだったとして。  それでも好奇心を殺すことができず、その情報を求めるのなら、それは、大人の選択だろうか、それとも。  未熟ゆえの、過ちか。
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