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小田切さんは、にこっと笑ったあと手元に視線を戻した。4つの紙コップに湯を注いでいる。
「とりあえず、ハルクもこっち座り。あ、小橋君、紹介するなあ。こいつがさっき話したハルク」
「こいつって何やねん」
キサラに突っ込みを入れたところで、小橋君と呼ばれた少年は立ち上がった。
「初めまして。あの、小橋悠理(こばし ゆうり)っていいます」
「初めまして。……て、キサラ、俺、よう状況が分からへんねんけど、小橋君ってお客さんやあらへんの?」
「それを今から説明するんやろ。とにかく座り。小橋君も」
キサラに腕を引っ張られ、俺は小橋君の左隣に座らされた。
そこで、ソファの前にあるテーブルに、小田切さんが紙コップの乗ったトレイを置いた。
「インスタントで申し訳ないけど、コーヒー、良かったらどうぞ」
コップを俺と小橋君の前に置き、ご丁寧にスティックシュガーとコーヒーフレッシュを添えてくれた。
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