第11話 高木春紅編②

6/40
前へ
/40ページ
次へ
 祖母は小橋君の親友にコスモポリタンを教えた。  小橋君の親友もサイトに登録し、ラッキーチャンスに答えたという。 「手に入るものの選択肢は、記憶力、体力、人望、夢でした。ご友人は答えるたびに、飼い犬を亡くされたり、お母様が病気になったりと、代償を払うことになったようです。  そして最後に」  ぎゅっと拳を握りしめる音が聞こえた。  小橋君の顔が青ざめている。  小田切さんは低い声で言った。 「親友か、恋人を失わなければならなくなった」  俺は息を飲んだ。  親友か恋人?  ということは、小橋君か、小橋君のばあちゃんを失うということか。  今まで黙っていた小橋君が口を開いた。 「親友は……彰人(あきと)は、どちらも選べないって言って。自分で選ばなかったんだ。そうしたら、サイトが勝手に選択して」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

956人が本棚に入れています
本棚に追加