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ぱっちりとした目に涙が浮かんでいる。
「ばあちゃん、心臓発作で亡くなってしまったんだ」
俺は言葉を失った。
小橋君は頬を伝う涙を拭くこともなく話を続けた。
「ばあちゃん、自分のラッキーチャンスで不死を選んでいたのに。
不死って、死なないってことだろ? それが、彰人のラッキーチャンスで……死んでしまうなんて。
そのせいで、彰人……苦しんで。自殺を図ったんだ」
「え……」
「車道に飛び出して、事故に遭った。
命は助かったけど、学校もしばらく休まなくちゃならなくなったし、……本当に、見ていられなくて。僕も、ばあちゃんが亡くなって、彰人まであんなことになって」
小橋君の手の甲に、涙がぽとりと落ちる。
「僕は、コスモポリタンを教えてきた母親に連絡を取ろうとした。あの母親のせいでこんなことになったんだ。
だけど、母親から教えられた電話番号は、現在使われていませんって……。ばあちゃんの携帯からもコスモポリタンには接続できなくなったし。
仕事先の場所も何もわからなくて。
……僕はどうしても、あの母親、それにサイトが許せない。聞きたいことも山ほどある。だから、僕は……」
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