第11話 高木春紅編②

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 3人の視線が俺に集中する。 「いや、姉ちゃんはもう、コスモポリタン辞めてんねん。  コスモポリタンには、サイトのアドレスを知らな行けへんて。  ……姉ちゃんが言うには、俺の尊敬するバンドのボーカルさんが、ラッキーチャンスで殺されたかもしれへんねや。コウジさんていうんやけど。  コウジさんが事故るように仕向けたんは、コウジさんと同じバンドメンバーのセイタさんかもしれへんって」 「その、セイタさんというのは、今もラッキーチャンスに参加中だと?」 「姉ちゃんが言うには」 「ふむ」と小田切さんは頷き、小橋君に顔を向けた。 「小橋君、依頼をお引き受けしましょう。あなたのお母様の行方不明調査、コスモポリタンという企業調査の2点を行います。見積書をお出ししますから、少々お待ちください。泉さん、よろしく」 「はい」  キサラは立ち上がり、数十台のカメラが乗ったメタルラックの中段にあるパソコンに向かった。
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