100人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
誠が恩を感じているのが分かるが、私は別に恩を売った覚えはない。
こちらにも都合がよかった。
しかし慕われることは嬉しい。なので誠にこのことは秘密にしておいている。
「そういえば咲夜様、明日はどうやら転入生が来るらしいです」
「ふむ?こんな半端な時期にか。珍しいものだ」
「そうですね……おや、もう昼休みは終わりのようです。時間が経つのは早いものですね」
「そうだな。また明日来るから寂しがるな」
寂しそうに眉を下げる誠の額にキスを落とし、別れを告げ、私は教室に戻ることにした。
ああ、今日はまだ奴に会っていない。
最初のコメントを投稿しよう!