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「妹ちゃーん、どしたのー?」
赤髪の少女こと片倉十月は、自分より身長が二十センチ程度低い女の子に話しかけた。
片倉は先程、賞金がかけられているドスドラックを討伐してきたところである。
妹ちゃんと呼ばれたも幼女、じゃない少女はかぺの上にいる片倉を見上げた。
「片倉さん」
少女は片倉を見つけると驚いたように声を上げた。
「やあやあ、レストちゃん」
「相変わらず二人称が定まらないね」
片倉は壁から飛び降りて着地すると、笑顔で挨拶をした。
妹ちゃんと呼ばれた少女、もといレストは苦笑いで挨拶を返した。
「あー、そーいやーさ。ここ、今は危ないよ?」
「へ?」
「いいから逃げるよっ。僕が蒔いた種だけどねっ」
片倉はそう叫ぶと、レストの手を引き走り出した。
その一秒後には、二人がいた場所に肉食モンスターが突進してきていた。
「なっ」
「ドスドラックめぇ……。面倒いなぁもうっ」
片倉が蒔いた種である。
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