第2話

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「お・つ・か・れ・さ・ま・です」 わざと一音ずつ切り離してねぎらいの言葉をかけ、 彼女の両肩にすかさず手を置き、 揉み込みマッサージをすれば。   「んぁっ、そこ、きく…、きもち、いい…」 生々しい喘ぎ声が漏れてぎょっとし、 あたしはパっと手を引っ込める。 「やめてよ、その声っ」 労(ねぎら)いの奉仕心が萎えたよ。  「まるであたしが優子ちゃんにイケないことしてるみたいじゃない」  「ええ~、先輩、そこでやめないで。もっとぉ! さっきまで数字入力してたから肩、凝ってるんです」 いくら自分の気分がいいからって、 するんじゃなかった。
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