第2話

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「せんぱ~い、」 あたしは優子ちゃんの甘ったるい声を軽く手で払いのけながら 一番奥のテーブルへと歩を進め、 そこの一番左端の椅子をひいて座った。 「もぉ、無視して行かないで下さいよぉ~」 続いて優子ちゃんもあたしの真向かいに座る。  この席が食堂での私達の定位置。 優子ちゃんは一社に一人はこういう子っているよね、 という典型的な小悪魔っ子で、 どうすれば自分がかわいく見られて 男受けがよくなるかを常に研究している(らしい…) そして“狙え、玉の輿!” をモットーに日々、身体の手入れもかかさない(らしい…) 趣味教養も兼ね備えるべく 習い事にも心血を注ぐという徹底振りだ。
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