神聖祭

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「サトーさん……。サトーさんが私を好いていないのは、分かっています」 悲しそうな顔をする白髪。 白髪が告白を始めてから、より一層…会場は静かになっていた。 「それでも、伝えさせて下さい。サトーさん…好きです。大好きです。私と付き合ってください」 この言葉を最後に、告白は終了。 今度は俺が返事をする番となった。 司会に、どうぞ…と促されて、俺は一歩前へと足を出す。 「まずお前」 1人ずつ返事を返すように言われた俺は、一目惚れが…とか言っていた女の前へ。 「俺はお前の顔すら知らない。無理だ」 もちろん断る。 「お前はイケメンだけ見てろ」 断る、断る。 イケメンから俺に乗り換えたという女も、当然断る。 「俺は、他人には冷たい。その考えは間違ってるぞ?帰れブス」 ギャップが…とか言っていた女も断る。 「一生俺の前に姿を見せるな。気持ち悪いんだよミートボール」 何故か男にまで告られたが…しっかり優しく断った。 その言葉すら嬉しいのか、ブヒブヒ言いながら抱きつこうとしてきたのを顔面を蹴る事で阻止。 「おい近付くな。お前の油分が俺に付いたらどうしてくれる」 「もっと罵ってくださぃぃぃぃぃ」 「………………」 きっと会場に居る全員が思っただろう。このデブが気色悪いって。 あまりの出来事に、会場スタッフがそいつを舞台から引きずり落とすのを確認して… 最後は、白髪。 「お前とは、女の中では1番喋る位…気を許していると思う」 猫女は女じゃないし、強気女も変態も…一緒には居るが、あまり喋らない。 唯一、白髪だけがマトモなキャラだって事が理由なんだが。 「でも俺は、友達としてしか…お前を見れないんだ。ごめん」
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