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その願いも虚しく崩れ去ったのは…午後10時を回ったくらいの刻。
戦闘祭で使った山が爆発。
「おいおい、マジかよ…」
明らかに膨大な魔力によって爆発した木や瓦礫がグラウンドに降り注ぎ…
大量の砂煙がここまで到達した。
瞬時に舞台へと移動した俺は、白髪を前から抱きしめて守る。
イケメン達には念話で、これ以上の被害を抑える為に結界を貼るよう指示して…
俺が結界の内側を舞う砂煙を無魔法で一気に消し去った。
王国騎士団、そして帝と花守。
いい連携をしたおかげか、軽い怪我人は出ているようだが、切り傷程度で済んでいる。
「あ、ありがとうございます…」
動揺を隠し切れていない白髪に怪我が無い事を確認し、ホッと一息。
結界の外側は、まだ土煙が多くどうなっているのか確認出来ない。
「王様、ご無事ですか?」
後ろで水帝が王を心配するのを聞きながら…緊迫した状況に頭をフル回転させていた。
とにかく、戦える人間以外は邪魔。
だが…誰が、何の為にした仕業なのかが分からない以上は、下手に動かすことは出来ない。
「ベリアル」
使い魔であるベリアルを呼び出し、いつでも戦闘態勢に入れる様に…と思ったのだが
「うわっ!ビックリさせんなよ。あ…でも、簡単に中に入れたのはラッキーか?」
その言葉を聞いて、すぐにベリアルを戻した。
「最悪だ…」
ボソリと呟いた小さな声は、白髪には聞こえたらしく…
こいつも状況を理解したのか、顔が真っ青になっていた。
主犯は、堕天使。
それも魔王に近い堕天使。
そして外側に居るのは、ベリアルを含めた数人だろう。
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