神聖祭2日目。

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ま、簡単に言うと…王は裏切っていたんじゃなくて、ただ単に友達を殺した相手を覚えてたってだけ。 「お前は何をしに来たんだ?」 「だから言ったじゃん。挨拶しに来ただけだって…」 俺の問い掛けに、やれやれ…と手を上げてワザとらしくため息を吐くサリエルは、チラリと外を見る。 残念ながら…こいつらもあの烏天狗と同じく、自分の意思で心の声を聞こえなくする何かがあるらしい。 だから、その視線の先に何があるのかも…何も分からないのだ。 「あ、来た来た。待ちくたびれちゃったよ。まったく…振り回されるこっちの身にもなってほしいよね」 そして、さっき見ていた視線の先…結界の外を見るサリエルは、片手を上げて…何か衝撃波の様なものを放った。 それも、攻撃ではなく…強い突風が吹く程度の。 「ん…あれ…」 すると、倒れていた白髪…国民達が目を覚ました。 今のはその為の衝撃波らしい。 「大丈夫か?」 「はい。すみません…」 体に何も異常が無い事を確認するが、サリエルが何をしようとしているのかがわからない以上は、手を離せない。 片腕で抱き締めたまま、警戒しながら周りを見ていた。 「おーい。もういいよー」 砂煙も、少しマシになった結界外には…十数人の人影が薄っすらと見えた。 多分、堕天使だろう。 サリエルの声に反応してか、結界がガタガタと音を立て始める。 「佐藤…!ダメだ。このままじゃ結界が壊れる!」 舞台下まで走ってきたイケメンが、焦った表情で外を指した。 外から何かの力がかかってきている、と。 「ったく…人間を1箇所に集めろ。そいつらだけを守る様に、結界を貼れ」 どうせ俺達が倒れれば消える結界だ。 このまま奴等が攻撃してくれば…防戦してるだけでは、何も出来ずに終わるだけ。 それなら、足手まといの人間は全て1箇所に纏めて保護しておけばいい。 戦うのは俺達なんだし。
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