神聖祭2日目。

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堕天使全員が神級魔法をぶち込んで来るっていうキチガイな暴挙。 俺も無魔法で全員を覆う結界を強めに貼り、神級魔法を防御するが 結界に当たった魔法は凄まじい轟音を上げ、結界にヒビを入れていく… いくら無魔法が攻撃を無効化するものだといっても…それには許容量がある。 神級魔法14発を一気にぶち当てられれば当然、耐え切れるワケが無い。 数秒後には、結界は破られ…今度はイケメン達の貼った防御魔法へとぶち当たる。 結界で少し衰えたとはいえ、それでもかなりの威力。 そこに無魔法の衝撃波を当て、やっとのことで消えた攻撃。 「やっぱりこんな攻撃じゃ無理か」 分かっていたはずなのに、わざとらしくため息を吐くサリエル。 その声と共に、全員が俺達の前へと降りてくる。 「あの程度の攻撃も避けれない様なら、この場で全員殺していたところです」 手加減するのに苦労しました、と話すのはベルゼバブ。魔王の右腕とされる堕天使だ。 7つの大罪のうち、食欲を司る。 「さて…貴方達の実力は分かりました。確実に、今なら人間界を安易に滅ぼせるのですが…」 それじゃあ面白くないんですよね、と続けた。 ベルゼバブはここに立つ人間1人1人をジッと見ると、イケメンを見て視線を止める。 「1000年前、私達はかなりの屈辱を味合わされました。今回は、その借りを返すつもりです」 それは、この世界の人間全てに知られる勇者の伝説。 1000年前、堕天使達によって窮地に立たされていた人間を救った勇者は、魔王を封印した。 その事がよっぽど悔しかったんだろう。 「勇者と崇められるのは今だけですよ。今度は…あの時の様にはなりません」 殺して、喰ってやる。 そう言ったベルゼバブの言葉によって、この場がシーンと静まり返る。 だが数秒後には、パチパチ…と乾いた拍手の音。 「さすが勇者様御一行だ。それでなきゃつまんねぇよな。そう思わねぇか?なぁ…斗真」 そう発言した人間が、堕天使達を割って後ろから歩いて来る。 拍手をしながら、舐めきった態度で。 俺たちの前に現れたのは、さっきまで居なかったはずの、15人目の堕天使。
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